海外へ行くとき・海外で受診したとき
海外へ行くとき
海外へ行くときには損害保険会社が運営する旅行損害保険に加入されることを強くお勧めいたします。
健康保険の海外療養費では支給される範囲が決まっているため、支払った治療費の一部しか支給されないということが往々にしてあります。
旅行損害保険に加入しておくと、医療費や移送費などの治療費がほとんど保証されています。(加入コースによる)
以下に海外での治療費はおどろくほど高額になり得ることを事例でご紹介いたします。
病気・ケガの事例
- アメリカで交通事故:
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友人の運転する車に乗っているときに、車が道路を外れてスピン。右手を骨折してしまい、手術をして5日間入院。(20代男性)
旅行損害保険に加入しておくと支払われる保険金:約230万円
(現地入院費用2,239,426円+帰国後の治療費用51,810円) - 中国で路線バスに搭乗中、トラックが衝突:
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乗っていた路線バスにトラックが衝突し、足を骨折。事故の後、病院に搬送されたが、その後2度転院し、転院先の病院で手術を受ける。事故日から17日後、看護師付き添いのもとで日本に帰国した。(20代男性)
旅行損害保険に加入しておくと支払われる保険金:約666万円 (現地入院費用625,793円+搬送費用・帰国費用等6,038,750円)
- アメリカで盲腸に:
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腰痛があり現地で治療を受けたが、痛みが治まらず、発熱が続く。再度、総合病院で診察を受けたところ盲腸破裂が確認され、緊急手術の後、入院した。(30代男性)
旅行損害保険に加入しておくと支払われる保険金:約240万円 (疾病治療費用2,410,011円)
海外で受診したとき
海外では、日本国内のように健康保険証を使って診療を受けることはできませんが、海外旅行等に出かけた本人や家族が、病気やケガで海外の病院で治療を受けた場合、支払った治療費の一部は申請すると療養費が受けられる場合があります。
支給を受ける前に
以下の場合は申請の前に各窓口へご相談ください。
- 海外駐在時および海外出張時に受診したとき:
先に会社の人事総務部門に確認してください。会社が海外損害保険をかけているのではないでしょうか。 - 家族で海外旅行中に受診したとき:
先にクレジットカード付帯の海外損害保険を確認してください。クレジットカード付帯の海外損害保険が利用できる可能性があります。
- クレジットカードの中には持っているだけである程度の保険が付くものもあります。 お持ちのクレジットカードを確認してください。
- ※インターネットで検索するとクレジットカードの情報が出てきます。
支給される範囲
日本国内の保険診療として認められた治療のみが対象となります。
支給されない例
- 業務上の災害
- 治療を目的に海外へ行き、治療を受けた場合
- 日本国内の保険診療外の治療費、差額ベッド代・食事代等
- 海外での療養上必要のない移送費(日本への帰国費用など)
- 美容整形
- 特別な歯科材料や歯列矯正
- 自然分娩
- 第三者行為による病気・けが
支給される金額
保険給付額(海外療養費)は、海外の病院で発行された診療内容明細書と領収明細書に基づいて 日本国内の病院で治療(保険診療内)を受けた場合の治療費を基準とした金額(基準額)から自己負担額を控除した金額を支給します。
※領収明細書の金額が基準額よりも小さい場合・・・領収明細書の金額から自己負担額を控除した金額
※領収明細書の金額が基準額よりも大きい場合・・・基準額から自己負担額を控除した金額
※自己負担額・・・治療費の3割(未就学児は2割、高齢受給者は1割)
支給額算定の際には、すべて円換算し、日本円で支払います。
その際、保険給付の支給決定日の外国為替換算率(売りレート)が用いられます。実際に受診した日のレートではありません。
申請する場合
次の書類を健保へ提出(すべて原本)
- 療養費支給申請書B (当健保へお問合せください。)
- 診療内容明細書(診療内容がわかる医師の証明書) ※
- 領収明細書(内訳がわかる領収書) ※
- 上記2.3.の日本語翻訳文(翻訳手数料は申請者の負担となります)
※海外の病院でご準備ください。フォーマットがわからない場合は当健保にて用紙を準備しています。お問合せください。
注意事項
- 海外の場合、日本国内と同じ病気・けがでも、国や医療機関によって請求金額が大きく異なります。
- 診療内容明細書、領収明細書は、暦の1ヶ月単位で受診者別、医療機関別、入院・外来・調剤別に作成してください。
- 海外の病院等で「診療内容明細書」「領収明細書」をもらうのにかかる費用は、申請者の負担となります。